我が国の企業をめぐる経営環境の激変に対応するために、何度か商法改正が行われて
きました。今回はその総仕上げとして、会社に関する複数の法律を統合して「会社法」
として独立させ、個々の企業が経営環境の変化に対して柔軟に対応できるように、会社
制度の見直しが図られました。中小企業に大きな影響があると予想される主な改正内容
は下表のとおりです。
旧(施行前) | 新(施行後) | ||
設立できる会社 | 株式会社、有限会社、合名会社、合資会社 | 株式会社、合名会社、合資会社 合同会社(日本版LLC) |
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最低資本金規制 | 株式会社:1,000万円以上 有限会社:300万円以上 |
制限なし | |
発起設立の払込金 保管証明 |
必要 | 銀行等の残高証明でよい | |
会社の機関設計 | (基本的な形態) 株式会社: 株主総会+取締役会+監査役 有限会社: 社員総会+取締役会(+監査役) |
株式譲渡制限会社では、取締役会の設置 が任意になる。株主総会+取締役(最低 1名)も可 その他 |
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取締役・ 監査役の 人数・任期 |
取 締 役 | 株式会社:3人以上、任期2年 有限会社:1人以上、任期なし |
3人以上、任期2年が原則 株式譲渡制限会社は1人以上で、 任期は最長10年まで延長可 |
監 査 役 | 株式会社:1人以上、任期4年 有限会社:設置は任意、設置した場合は 任期なし |
1人以上、任期4年が原則 株式譲渡制限会社は設置は任意、 任期は最長10年まで延長可 |
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会計参与 | 新設。すべての株式会社に設置可能 | ||
株主総会 の招集 |
招集通知の発送 | 会日の2週間前 | 取締役会を置かない会社: 会日の1週間前(定款で短縮可能) |
招集通知の手段 | 書面または電磁的方法(電子メールなど) | 取締役会を置かない会社: 書面等以外の方法でも可能 |
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招集通知の形式 | 会議の目的事項を記載 定時株主総会については計算書類等を添付 |
取締役会を置かない会社: 会議の目的事項の記載不要、計算書類 等の添付も不要 |
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株主総会で 決定できる事項 |
株式会社:法令や定款で決められた事項 有限会社:すべての事項 |
取締役会を置かない会社: すべての事項が決定できるように規制 を緩和(株主総会の権限強化) |